『人生100年』、『老後2000万円問題』など、長生きリスクに備えて老後資金を若い頃から蓄えようと考えている人が増えているようです。
そこで注目されているのが税制優遇制度が手厚い『NISA』です。NISAには一般のNISAとつみたてNISA、ジュニアNISAがありますが、今回はつみたてNISAについて実際に私自身が挑戦する過程をご紹介します。
この記事では、つみたてNISAの概要と初めての方を知ることができ、始める前にデメリットはあるのか、投資できる金融商品はどんな特徴があるのか、注文方法と注意点についてなど、網羅的に確認することができます。
つみたてNISAとは
つみたてNISAとは
長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託に限り、年間40万円までの投資額について運用益が非課税になる制度です。
非課税期間は最長20年で非課税投資枠は最高800万円となります。長期で運用することにより、元本割れのリスクを抑えつつ運用することができます。
そのため、つみたてNISAで購入できる金融商品は、
金融庁が長期・分散・積立に適していると判断した投資信託など条件があります。
つみたてNISAは2024年から制度が変わります!
なお、証券会社によっては月100円から投資が可能で、販売手数料は0円です。引き出しはいつでも可能で、積立金は自動で引き落とすことができます。
つみたてNISAまとめ
- 年間40万円までの非課税投資枠(2023年現在)
- 最長20年間の非課税期間(2023年現在)
- 投資対象商品に条件がある
- 月100円から積立可能
- 販売手数料0円
- いつでも引き落とし可能
- 積立金は自動で引き落としOK
デメリットはあるの?
ここまで見ればいいことだらけの制度に思えますが、デメリットあるのでしょうか。
具体的には、
- 元本割れのリスクがある
- 投資対象商品が限られる
- 毎年の非課税枠が少額(NISAに比べて)
- 非課税枠の再利用や繰り越しはできない(2023年現在)
- NISA口座での損失はなかったものとされる(損益通算不可)
- 積立での購入限定
などが挙げられます。
とても魅力的な税制優遇や、販売手数料が無料(ノーロード型)で低い信託報酬の優良な銘柄が豊富なことからメリットの多い制度ではありますが、元本割れのリスクや銘柄選択の自由度の低さなどデメリットもあることを理解しておかなかれななりません。
始めるまでの手順
つみたてNISAの概要とデメリットについて理解できたところで、始め方の手順を紹介します。流れとしては、
- 証券口座を開設する
- つみたてNISA口座の開設を申し込む
- 積立する投資信託(ファンド)を選ぶ
- 積立タイミングや積立金額を決める
- 注文する
以上です。
しかし、
準備について用意できていないものがあると、口座開設までにかなりの時間をかけてしまうことになります
スムーズに進めることができるように、必要なものについてご案内します。
準備に必要なもの
証券口座開設の申請自体はいつでの可能です。私が開設している楽天証券とSBI証券の両方ともに、申請から初期設定は順調に行えました。
しかし、
そのあるものとは、
マイナンバーカードです。(通知カードでも可)
楽天証券に関しては、審査が終わってログインIDが送付された後に、ホームページよりログインして、マイナンバーカード(通知カード)を読み取ってもらわないと取引を始めるまでかなり時間がかかります。なぜなら、個人番号付きの住民票でも登録できますが、郵送になるため手続きに時間がかかるためです。SBI証券もマイナンバーの提示を要求されます。
証券口座を開設する際は、どこの証券会社でもマイナンバーの提示を要求されます。最近では、マイナンバーカードがあれば、カードを撮影して登録するだけで郵送よりも非常に速い口座開設が可能となります。証券会社での口座の開設を希望される方は、早めのマイナンバーカードの取得を強くおすすめします。
私はマイナンバーカードの申請から受け取りまで2か月以上かかりました。まだ申請されていない方はこちらをご参照ください。マイナンバーカードのほかに必要なものはとくにありません。とりあえず申請と審査まで申し込む場合は免許証があれば可能です(楽天証券の場合)。
おすすめの証券会社
おすすめの証券会社は私が実際に利用している楽天証券です。
取り扱い銘柄が180本と豊富にある(2022年4月5日時点)
画面が見やすく取引がしやすい(わかりやすい)
100円から投資できるので無理なく積み立てができる
毎月積み立てのほかに、毎日積み立ても選択できる
などがあります。
SBI証券と並んでネット証券の人気筆頭会社ですが、個人的に最も魅力的なのは
ところですね。
買い物だけでなく、投資でもポイントがたまるのが嬉しいです。
私に関しては、つみたてNISAなど
を使い、
目的別に口座を分けておくと長期と短期で売り間違えるようなトラブルを回避できるほか、ポートフォリオ作成でも便利に活用できます。
楽天証券で口座を開設したら、こちらの記事も参照ください。
つみたてNISAで投資できる商品の特徴
つみたてNISAで投資できる商品は
手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されており、投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい仕組みとなっています。
金融庁積み立てNISAの概要より引用
つまり、
といった目的にマッチした商品で、さらに金融庁により厳選された優良銘柄が揃っているわけですね。
銘柄の種類は大きく分けて3つに分かれます。
インデックスファンド
「日経平均株価」などの株価指数と同じ動きを目指す投資信託です。パッシブ運用ともいいます。1つのファンドに多くの銘柄が含まれているため(日経平均株価に連動するファンドなら、日経平均株価を構成する225銘柄に分散投資ができる)多くの銘柄を買うことなく分散投資ができ、リスクを抑えることができます。アクティブファンドに比べ、手数料が安いものメリットです。
アクティブファンド
インデックスファンドは株価指数に連動することを目指す投資信託ですが、アクティブファンドは株価指数を上回る運用を目指す投資信託のことで、大きなリターンを狙うことができます。インデックスファンドよりも高いリターンを狙える一方、リスクもその分大きくなり、手数料が割高になります。
ETF(上場投資信託)
状況を種類は投資信託(ファンド)に分類されます。ETFは、内容は投資信託と同じですが、株式会社と同じようにファンド自体が金融商品取引所に上場しているものを指します。そのため、株式と同様に金融商品取引所の取引時間内で売り買いすることができます。
(投資信託は1日に1回算出される基準価格で1日に1回取引をすることができます。)
上記の3種類の中ではインデックスファンドが最も多くの対象商品があります。つみたてNISAの投資目的が長期でコツコツ積み立てですので、目的とマッチしているインデックスファンドから商品を選ぶことをおすすめします。
注文方法と注意点
準備ができたので注文してみましょう。今回は楽天証券の積み立てNISA口座から、eMAXISSlim米国株式(S&P500)を購入してみます。
金額を入力して、
注文が完了しました。
とても簡単です。
つみたてNISAで購入できる銘柄には限りがありますが、それでも種類が豊富です。年間40万円まで投資ができるので、月額で最大33,333円投資できます。
ここで注意しておきたいのが、
- 最初から限度額ぎりぎりまで投資する必要はない
- 1つの銘柄に全額投資するのはリスクが大きい
ことです。
つみたてNISAで最大の運用益を狙うには年間40万円×20年で800万円を運用することが必要ですが、
自分が現在必要な資金を削ってまで投資するのは危険です。
投資はあくまでも余剰資金でおこない、リスクについてもしっかり理解しておく必要があります。楽天証券なら月100円から注文ができますので、自分にあった金額を長期的な視点でコツコツ投資していくといいでしょう。
投資に関しては同じ銘柄に全額を投資するのはリスクが大きいといえます。投資においてリスクをゼロにすることはできませんがリスクを抑える手段としては、分散投資の考え方が有効です。
資産を国内株式や海外債券、不動産など複数の異なる資産へ配分して運用することをアセットアロケーション(資産配分)といい、分散された資産の組み合わせをポートフォリオといいます。
このポートフォリオ運用でリスクを低減するには、値動きが異なる金融商品を組み合わせる必要があります。つみたてNISAで選ぶ投資信託でも米国の株式や国内の株式、先進国株式、新興国株式などの値動きを調べて、自分なりに組み合わせの意図を説明できるぐらい目的をもって選定してください。
また、もう一つ注意しておきたいのが、管理費用です。つみたてNISAは買い付け手数料は0円ですが、管理費用が掛かります。例えば今回私が注文したeMAXISSlim米国株式(S&P500)では税込0.0968%の管理費用が発生しています。(2021年4月現在)これは銘柄によって異なりますが、1%を超える管理費用が掛かる銘柄は注意が必要です。
まとめ
今回でつみたてNISAの概要、手順、実践についての記事が完結しましたが、これからが投資のスタートになります。
どのような目的をもって運用するの?
ファンドを選んだ理由は?
ポートフォリオの作成基準は?
リスクについて確認できた?
投資においては考えられるすべてのなぜ?について自分なりの答えが言えることが大切です。
周りの意見に流されず、明確な目的をもって計画的に投資活動を行うことが成功への第一歩となるでしょう。
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