FX取引を始めたいけど、レバレッジ倍率がよくわからない。
どれくらいの倍率が適切なのか不安…。
なんてお悩みの方、多いのではないでしょうか。高い倍率で始めたばかりにいきなりロスカットで退場なんて悲しいですよね。
FX取引において、レバレッジは大きなリターンを得ることができる反面、リスクも高まることから初心者にとっては扱いにくいものです。特に、レバレッジ倍率を選ぶ際には、どのような基準で選べばいいのか迷ってしまうことも多いでしょう。そこで、本記事では、FXレバレッジ倍率の選び方などについて解説します。
この記事では、FXでのレバレッジ倍率の基礎的な計算方法やおすすめの倍率とその理由、さらにはレバレッジ倍率選びで失敗しないためのポイントを解説します。
読者の方々が安心してFX取引を行えるよう、専門的な知識を基にわかりやすく説明します。
FXのレバレッジ倍率の基礎知識を押さえよう
レバレッジとは何か
レバレッジとは、証拠金を担保にしてその何倍もの取引が可能になる仕組みのことを指します。レバレッジは「てこ」を意味する英語で、少ない資金でも大きな取引を行うことができるというメリットがあります。
レバレッジ倍率の計算方法
FXのレバレッジ倍率の計算は非常にシンプルです。具体的には、
取引額(現在の為替レート×取引数量)÷証拠金
で計算することができます。
例えば、通貨ペアがUSD/JPY(米ドル/日本円)でDMM FXでは最小取引単位が10,000通貨なので、1ドル100円だと仮定すると、
10,000×100で100万円用意したときにレバレッジが1倍となります。
以下に、FX取引でよく使用する各種計算方法をまとめた表を作成しました。ただし、各FX会社により、具体的な計算方法や取引条件が異なる可能性があるため、事前に各社の取引条件を確認することが重要です。
項目 | 計算方法 | 例 |
---|---|---|
証拠金の計算 | 取引額 ÷ レバレッジ倍率 | 例:100万円(取引額)÷ 25倍(レバレッジ倍率)= 4万円(必要な証拠金) |
最大取引数量の計算 | 所有証拠金 × レバレッジ倍率 | 例:10万円(所有証拠金)× 25倍(レバレッジ倍率)= 250万円(最大取引額) |
証拠金維持率の計算 | 有効証拠金(所有証拠金 + 評価損益) ÷ 必要証拠金 × 100 | 例:(10万円(所有証拠金)+ -1万円(評価損益)) ÷ 4万円(必要証拠金)× 100 = 225% |
利益の計算 | (売値 – 買値) × 取引数量 | 例:(110円(売値) – 105円(買値)) × 1000単位(取引数量)= 5000円(利益) |
取引額は現在の為替レート×取引数量で計算します。
証拠金維持率は、証拠金の状況をパーセンテージで表示したものです。証拠金維持率が一定の割合(DMM FX では50%)を下回ると、追証(追加の証拠金の預け入れ)が求められる場合があります。
レバレッジ倍率が高くなるリスクとリターン
FX取引におけるレバレッジ倍率が高いと、その分リターン(利益)だけでなく、リスク(損失)も高まります。これは、レバレッジが高いほど大きな取引を行うことが可能となるためです。
リターン(利益)の増大
レバレッジ倍率が高いと、預けた証拠金に対して大きな取引が可能になります。したがって、為替レートが予想通りの方向に動けば、その変動幅に応じた利益を得ることが可能です。例えば、レバレッジが25倍の場合、自分の証拠金が10万円でも、250万円分の取引が可能となります。そのため、予想通りの為替変動があれば、証拠金に対する利益率が高まります。
リスク(損失)の増大
しかし、その一方で、為替レートが予想と逆の方向に動けば、その変動幅に応じた損失を被ることになります。レバレッジ倍率が高いほど、そのリスクは増大します。先ほどの例で言えば、レバレッジが25倍の場合、為替レートが予想と逆に動けば、大きな損失を被る可能性があります。
以上のように、レバレッジ倍率が高いほどリターンとリスクが増大します。そのため、レバレッジ倍率を設定する際には、自身のリスク許容度や投資目標をしっかりと考慮することが重要です。
FX初心者におすすめのレバレッジ倍率はどれくらい?
初心者におすすめのレバレッジ倍率の目安とは?
結論から申し上げますと、5倍程度です。
理由としては、ロスカットされる可能性を低く抑えることができるからです。例えば、上記のレバレッジ倍率の計算方法で用意した表を基に、1ドル100円と仮定して計算してみると、
レバレッジ5倍では100×10,000÷5=20万円
レバレッジ10倍では100×10,000÷10=10万円
レバレッジ25倍では100×10,000÷25=4万円
の証拠金が必要です。
最大倍率の25倍だと低い証拠金で取引が始められ、一見魅力的ですがそれぞれのロスカットまでの値幅を計算すると



5倍で14.6円 10倍で4.6円 25倍で1.4円の値動きでロスカットされてしまいます。
現在の為替レート135.71円(2023/5/14現在)で計算すると、

なんと0.028円の値動きでロスカットされてしまいます。
10倍の4.6円の値動きも通貨ペアによっては動くこともあるので、やはり5倍がおすすめといえます。
※DMM FX では、レバレッジが25倍で固定されており、自身で変更することはできません。低いレバレッジで取引するためには、取引額に対して余裕をもって入金することで、実質的にレバレッジを調整する必要があります。
FXのレバレッジ倍率選びで失敗しないためのポイント
それでは、レバレッジの倍率を選択する際、失敗しないために気を付けるべきポイントをご紹介します。
リスク許容度を見極める
リスク許容度を見極めることは、FXのレバレッジ倍率を選ぶ際に非常に重要です。理由としては、
- 損失のリスクを最小化する :レバレッジは、少ない証拠金で大きな取引を行えるメリットがありますが、同時に損失も大きくなる可能性があります。自分のリスク許容度を見極めることで、損失が予想以上に大きくなるリスクを最小限に抑えることができます。
- 心理的な安定を保つ :レバレッジを使った取引では、大きな利益を狙う反面、大きな損失も考えられます。自分が受け入れられるリスクの範囲内でトレードを行うことで、心理的な安定を保つことができます。リスク許容度を明確にすることで、冷静な判断ができ、感情に左右されずにトレードを行えるようになります。
- 長期的なトレード戦略の確立に役立つ :リスク許容度を見極めることは、自分自身のトレードスタイルや長期的なトレード戦略を確立する上で重要です。自分の目標利益や損失限度額に基づいて、どの程度のレバレッジ倍率を選ぶべきかを考えることで、より戦略的なトレードを行うことができます。
自分自身の投資目標やトレードスタイルに合わせてリスク許容度を明確にし、損失を最小限に抑え、心理的な安定を保ちながら効果的なトレードを行うことが重要です。
ポジションサイズの計算方法を理解する
ポジションサイズを知ることはFXトレードにおいてとても重要です。ポジションサイズがトレードごとに違うと利益や損失に差が出るからです。ここではポジションサイズの計算方法を簡単に説明します。
- リスク許容額の決定:まず、自分が一つの取引でどれだけの資金を失うことが許容できるかを決定します。これは通常、トータルの取引資金の一部(例えば1%や2%)とします。
- ストップロスレベルの設定:次に、取引がどれだけ逆行した場合に損失を切るか(ストップロス)を決定します。これは通常、価格のピップ(最小変動単位)で決定します。
- ポジションサイズの計算:上記を基にポジションサイズを計算します。リスク許容額をストップロスのピップ数で割ると、1ピップあたりのリスク額(単位リスク)が出ます。この単位リスクを基にポジションサイズを決定します。
具体的な例を挙げると、
- リスク許容額:取引口座に10,000ドルがあり、一つの取引でリスクを1%に制限したいとします。この場合、リスク許容額は$100(= $10,000 ×1%)となります。
- ストップロスレベル:この取引で20ピップのストップロスを設定したとします。
- ポジションサイズの計算:リスク許容額$100をストップロスの20ピップで割ると、1ピップあたりのリスク額は$5(= $100 ÷ 20ピップ)となります。もし1ロットあたりの価値が$10/ピップであれば、ポジションサイズは0.5ロット(= $5 / $10 per pip)となります。
まとめ
レバレッジ倍率の選び方には、リスク許容度やポジションサイズ、トレードスタイルなど個人の好みや環境によって異なります。
初心者におすすめのレバレッジ倍率は低めの倍率となりますが、自分に合った倍率を見極め、リスクマネジメントをしっかり行うことが大切です。
レバレッジ倍率はFX取引において大きな影響を与えるため、しっかりと理解し、適切に選ぶことが成功への近道となります。
この記事を読んでレバレッジ倍率の基礎的な知識と計算方法、おすすめ倍率について学んだら、実際に取引を始めてみましょう!下記の記事が参考になります。

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